「一期一会」
  いちご  いちえ

奈良の薬師寺の塔が完成した時、大勢の人が、古都にふさわしい
「わび」「さび」がないと言いました。

”あおによし、ならのみやこの……"

と歌われた時代、奈良は昭和に出来た塔と同様に極彩色の建造物が立ちならんでいたのです。
「わび」「さび」などはごく近い時代の言葉と言えます。
このように私たちは歴史を見る時、現在の尺度で計りがちです。
それは、とりもなおさず、自分の尺度に他なりません。
新しい出会いの多い時、「あいつはダメだ」と聞かされた時、それはその人が、「あいつを単に嫌い」ということもあり得ます。
先入観にとらわれず、自分の日で確かめ、新しい出会いを楽しみたいものです。